施設設計の新常識
CLT工法ガイド
既存のRC造やS造では、表現することのできなかった木造施設を可能にしたCLT工法。近年注目を集めているCLT工法は、新国立競技場など大規模な施設だけでなく、保育園や介護施設とさまざまな規模の施設に採用されています。CLT工法には、どのようなメリット、魅力があるのか紹介していきます。
What is CLT method ?
いま注目を浴びる”CLT工法”とはなにか?
CLTとは、(CrossLaminatedTimber)の略称でひき板を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着させた木質系材料です。厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されています。1995年頃にオーストリアで初めて製造され、ヨーロッパを中心に発展したCLT工法が日本に導入されたのは2016年。日本のCLT建築は年々増加傾向にあり、2021年には710件の施工数を達成し注目を集める工法です。
What is difference ?
”CLT工法”は他の工法と何が違うのか?
従来の工法(RC造・S造)
CLT工法
CLT工法は従来の工法とは異なり、製造原版サイズが大きく大規模な木造施設を建設することが可能です。また大版を分割したサイズにすることも可能で工場加工度が高いので、工期を短縮することができるのも魅力です。さらに、従来の工法よりも耐久力が高いという実験の結果も出ており、これからの日本での普及が期待されています。
Why is the focus
of attention ?
なぜ”CLT工法”は注目を集めているのか?
中,大規模な建築物の工期短縮
中・大規模建築物で主に使用されている鉄筋コンクリートに比べ、CLTは工場で製造・加工が行われるため現場での施工が少なくなり、工期を短縮することができます。CLT工法は、コンクリートなどを主に使用していたRC造やS造に代替できる新しい工法です。
森林資源が有効活用できる
CLTは板を重ねて接着するので、あまり太くない木や節の多い木など一般的に建材として不向きな木材でも活用できます。山林の保全のためにも、木材を適度に伐採して使用し、循環させていく必要があり、山林の適切な保全にもCLTが役立っているのです。
建物の強度が高い
CLT工法で建てた建物は、他の工法で建設された建物を使用不可まで大破させた耐震テストにおいて、地震後も使用可能という結果が出ています。地震などの災害が多い日本では、万が一の災害に耐えられる耐久力の高さが評価されているのです。
What is feature ?
CLT工法の3つの特徴
デザイン性の高い
建造物を可能に
CLT工法は、中・大規模建築物でも木材を使用することができるので、鉄筋コンクリートを主に使用していた従来のRC造やS造の建物と比べ、デザインの幅が広くなります。また木の美しい木目が見えるので、木の温もりを感じる落ち着いた空間を演出することができるのも特徴の一つです。
環境だけでなく人にも優しい
環境保全に対する関心の高さから注目を浴びるCLT工法ですが、建物で過ごす人にとっても快適な環境を作り出せます。木材の熱伝導率は、コンクリートの1/12なので、断熱性に優れているのです。10cmのCLTは、1.2mのコンクリートと同様の断熱性能を誇るので、冬は暖かく夏は涼しい環境が実現できます。
万が一の火災に強い
木材を使用しているCLT工法は、火災に弱いというイメージがありますが、他の工法と比べた実験では、燃え切るのに長い時間を要することがわかっています。表面が燃えると、炭化し耐火皮膜ができて燃え進むスピードが遅くなるのです。万が一の災害の際に避難の時間を確保できると、幼稚園などの中規模な施設設計にも採用されています。
Future issue
CLT工法における
今後の課題
Cooperation
CLT工法を
実現する片桐建設
株式会社片桐建設は1970年に東京都中野区で創業された建設会社です。創業から50年以上に渡り、木造建築の専門家として活躍されてきました。培ったノウハウと技術を活かし、快適に過ごすことのできる個人住宅から施設設計まで実現しています。木造建築に精通している片桐建設は、施設設計をはじめ、商業施設建築・住宅建築・リフォームと数々の実績を残してきました。長年、磨き上げた技術力を武器に地元愛知県で豊川市・豊橋市を中心にCLT工法の施設設計を行っていきます。
片桐建設が提供するのは、
本物の木造建築。