「ツーバイフォー工法はどんなメリットがあるの?」
「建てる時に気をつけたいポイントはなに?」
この記事に辿り着いた方の中には、上記のように疑問がある方も多いのではないでしょうか?
メジャーな建築方法のひとつ、ツーバイフォー工法。住宅展示場などでもよく耳にする工法名です。
しかし実際にどんなメリットがあるのか、いまいちピンと来ていない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ツーバイフォー工法で建てるときのメリット・デメリットを解説します。実際の評判も合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ツーバイフォー工法とは
ツーバイフォー(2×4)工法は、木造建築の一種。使用される角材のサイズが2インチ×4インチのサイズだというのが名前の由来です。
同じようにツーバイシックス(2×6)、ツーバイエイト(2×8)工法などと呼ばれるものもあります。
決められた規格の角材と合板を使用するため、高度な技術を必要としないのが大きな特徴です。
発祥地はアメリカで、アメリカ・カナダでは、約9割がツーバイフォー工法で建てられた家になっています。
ツーバイフォー工法で住宅を建てるメリット5選
ここまでツーバイフォー工法の基本を解説しましたが、実際に家を建てるときには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、ツーバイフォー工法で建築する際の5つのメリットについて具体的にご紹介します。
ツーバイフォー工法で家を建てるメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
- 耐震性が高い
- 耐火性が高い
- 省エネルギー性が高い
- 遮音性が高い
- 耐久性が高い
それでは上記5つの理由について、詳しく解説していきます。
耐震性が高い
ツーバイフォー工法は、耐震性が高いというメリットを持っています。
ツーバイフォー工法は床や壁面などを組み合わせ、六面体で家を建てる工法です。
また使用される材質は剛性が高く、地震の縦揺れ・横揺れを建物全体で受け止め分散させるので、建物が全壊しにくくなります。
阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの大きな震災でも、ツーバイフォー工法の住宅は被害が少なくて済みました。
地震大国の日本では、家を建てる際の耐震性は大事なポイントです。
耐火性が高い
ツーバイフォー工法には、耐火性が高いという特徴もあります。
ツーバイフォー工法の場合、多くは壁や天井の内側に厚みのある石膏ボードを貼り付けます。
石膏ボードには、炎が当たった時に熱分解を起こす性質があり、火災が起きると水蒸気を発生させてくれるのです。
発生した水蒸気が壁の内部の温度を上昇しにくくさせることで、構造材の着火が遅れます。
また枠組み剤が入っているため、火の通り道になる壁や床をせき止めるものも、燃え広がりにくくなるポイントです。
省エネルギー性が高い
ツーバイフォー工法は省エネルギー性の面でも優れている工法です。
ツーバイフォー工法で建てた家は気密性が高く、また屋根材・床材にも断熱材が入り、家全体を断熱材ですっぽり包み込むような構造になっています。
そのため断熱性に優れているので、外気の影響を受けにくく、冬場は暖かい、夏は涼しい室内を維持できるのです。
室内の気温をコントロールするのにかかるエネルギーが少なくて住むので、環境にも優しい家だと言えます。
遮音性が高い
ツーバイフォー工法は、遮音性が高いというメリットもあります。
ツーバイフォー工法で使用される六面体構造は、気密性が高い構造で、同時に石膏ボードや外壁材など、様々な素材を重ねて使用した多重構造になっています。
その幾重にも重なった構造のため、壁から家の内外の音が伝わりにくく、遮音性に優れている家になると言えるのです。
ツーバイフォー工法は、外の音が気にならない快適な家造りに、適した工法でしょう。
耐久性が高い
ツーバイフォー工法は、耐久性の面でも優れた性質を持っています。
ツーバイフォー工法で使用される構造材は、含水率19%以下の乾燥剤を使用していて、湿気に強い素材。
他にも床下の土壌に防蟻剤と合わせて除湿シートを設置し、地面から出る水蒸気などもしっかりとブロックする造りになっています。
更に床組や立ち上がり部分の木材には、防腐剤・防蟻剤を重ねて塗布しているので、耐久性はしっかり確保されていると言えるでしょう。
ツーバイフォー工法で住宅を建てるデメリット3選
ここまでツーバイフォー工法で家を建てる際のメリットについてご紹介しましたが、デメリットはないのでしょうか。
ここからは、ツーバイフォー工法で建築する際のデメリットについて、3つを具体的にご紹介します。
ツーバイフォー工法で家を建てるメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 建築コストの削減ができない
- 間取りの制限がある
- リノベーションしにくい
それでは上記3つの理由について、詳しく解説していきましょう。
建築コストの削減ができない
一般的に建物の予算を抑える際は、使用する樹種やサイズを調整することが多いのですが、ツーバイフォー工法の場合には素材変更での予算調整ができません。
ツーバイフォー工法の建築の場合、使用する部材が建築基準法で決まっていて、JAS規格やJIS規格の適合品を使用する必要があるからです。
つまりツーバイフォー工法の場合、坪単価に関わらず構造体にかかるコストが変わらないことになります。
これは建物の価格に関わらず耐震性・耐火性・耐久性が変わらない、という意味なので、考え方次第ではお得とも言えるでしょう。
間取りの制限がある
ツーバイフォー工法は、面を組み立てて箱にする建築方法なので、間取りの自由度が低いというデメリットがあります。
構造に使用する面はその位置などを調整することが難しく、既存の素材を組み合わせてできる範囲の間取りになってしまうからです。
また組み立ててしまった後に壁を抜く、などのリフォームもしにくいため、建てる前にしっかりとプランニングしておくのがおすすめになります。
リフォームの可能性がある場合には、予め動かす可能性のある壁や仕切りを可動式にしておくという対応が必要です。
リノベーションしにくい
先程の間取りの制限と似ていますが、後からのリノベーションが難しいというデメリットもあります。
壁で構造を支えているため、壁をなくすなどの大きな間取り変更ができないのが原因です。
内装などの部分的なリフォームなら可能になります。
またツーバイフォー工法の住宅リフォームは大手メーカーの特権のような印象があるかもしれません。
最近では需要増加に伴って、工務店でも取り扱うケースが増えてきているので、検討の際は各工務店にご相談ください。
ツーバイフォー工法に関する評判3選
ここからは、実際にツーバイフォー工法の家に関する評判をご紹介します。
2×4工法は短期間で建築でき耐震性が高い
今日は「木造住宅の日」です🌸
引用元:Twitter(@soraplaza)
日本では木造住宅は一戸建ての9割以上になり、主に在来工法の「木造軸組工法」と「2×4(ツーバイフォー)工法」があります✨
メリットは在来工法は自由度が高く、2×4工法は短期間で建築でき耐震性が高いそうです🏠
ツーバイフォー工法は、既存の材質を組み合わせて作る工法になるので、細かな技術が不要な他にも工期が短いという特徴があります。
異動の時期までに、子供の進学までに、など家を建てるまでの期限が気になる方には、ツーバイフォー工法がおすすめと言えるでしょう。
デメリットとしては規格統一されている
規格化されて変化に乏しいツーバイフォー工法に比べて、どんどん発展してる感のある在来軸組み工法
やっぱり「ヤードポンド法」がダメだったんだろうな。大工さんの世界は未だに寸や尺。
引用元:Twitter(@mamtanuki)
ツーバイフォー工法は間取りに制限があるので、作りたい間取りにこだわりがある人には向いていません。
ただ可動壁などを活用して調整することはできるので、実際にハウスメーカーに相談してイメージを膨らませることが大切になります。
組みあがるまでに雨が降ったときには、構造体が湿気を含んでしまう
ツーバイフォー工法は、一階の床構造、壁構造、二階の床構造、壁構造、二階の天井構造、屋根、という順番で下から組んでいくので、屋根まで組みあがるまでに雨が降ったときには、構造体が湿気を含んでしまうというデメリットもあります。
引用元:Twitter(@saimaru)
ツーバイフォー工法は床から順番に組み上げていくので、屋根ができるまでに時間がかかります。
その間に雨や台風が来てしまうと下の部材が濡れてしまうという欠点があります。
雨が降った後は現地に足を運んで、ハウスメーカーの担当と共に必ず状態を確認しましょう。
ツーバイフォー工法で住宅を建てる注意点3選
それでは実際に、ツーバイフォー工法を使用する際の注意点をまとめていきます。
リフォーム前提で住宅を建てない
ツーバイフォー工法は面と面を組み立てて空間を作るので、後からその壁を取り除く、ということが難しいという欠点がありました。
最近では家族や環境の変化に合わせて、住んでる間にリフォームする人も増えていますが、ツーバイフォー工法の場合はリフォームに制限がかかることがあります。
駄目ならリフォームすればいい、がなかなか通用しないので、最初にしっかりとプランニングすることが大切でした。
住み続けられる家のイメージをしっかりと固めておきましょう。
依頼する会社を精査する
ツーバイフォー工法の家は、どこのハウスメーカーでも建てられるというわけではありません。
なぜなら構造理論が確立している分、しっかりと建築時の基準がマニュアルとして定められているからです。
この基準をしっかりと守っていれば優れた家になりますが、一方で不慣れなハウスメーカーの場合は基準を守りきれず、欠陥住宅になってしまう恐れがあります。
しっかりとツーバイフォー工法の建築に慣れたハウスメーカーを探しましょう。
建築可能な間取りか確認する
ツーバイフォー工法には間取りの制約があるという欠点がありました。
そのため最初にイメージしていた間取りでは、家が建たない可能性があります。
特に壁一面の大きな窓や角部分に窓を配置するなど、壁面が大きく開く構造は苦手な工法になるので、家を建てる際に使用したいと考えている人には要注意です。
建てたいとイメージしている家がツーバイフォー工法で建てられるのか、ハウスメーカーと相談してしっかりと確認してください。
まとめ
今回はツーバイフォー工法で家を建てる際のメリット・デメリットについてご紹介しました。
もう一度まとめますと、ツーバイフォー工法のメリットは下記の5点です。
- 耐震性が高い
- 耐火性が高い
- 省エネルギー性が高い
- 遮音性が高い
- 耐久性が高い
またデメリットは次の3点でした。
- 建築コストの削減ができない
- 間取りの制限がある
- リノベーションしにくい
メリットとデメリットをよく理解し、後悔のない家造りを検討してみてください。