注文住宅は決めることが多く、頭を抱えている人も少なくないでしょう。特に住まいの構造は会社選びの基盤にもなるためとても重要です。
木造建築において代表的な構造は、ツーバイフォー工法と在来工法の2つになります。しかし、名前だけ聞いてもどんなものかイメージがつく人も少ないでしょう。
構造においては、それぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらも理解した上でどの構造にするか選ぶことが大切です。あまり考えずに決めてしまうと、構造上の制限によって理想の住まいにできなかったという結果に繋がります。
そこで本記事では、ツーバイフォー工法について詳しく解説します。在来工法との違いやデメリット・注意点も解説するため、後悔しないためにもぜひ参考にしてください。
ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)とは?
まず、ツーバイフォー工法とは2×4の木材に構造用合板を張り付けてパネルを形成し、屋根・壁・天井の6面の箱型にした住宅です。
カナダから伝わった工法で『木造枠組壁工法』とも呼ばれています。現在では、北米の木造住宅の90%がこの工法で作られているほど、世界的にも有名な工法です。
カナダの寒冷地に適した構造として作られているため、断熱性や耐震性・耐風性が高いという特徴があります。工期も短く、工場で作業することから品質が安定しやすいこともメリットです。
在来工法との違い
ツーバイフォー工法のもうひとつの代表的な工法として、在来工法(木造軸組構法)があります。
ここでは、2つの工法の違いを見ていきましょう。以下の表に2つの工法のメリット・デメリットをまとめてみました。
工法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ツーバイフォー工法 | ・断熱性や耐震性・耐風性が高い ・工期が短い ・品質が安定しやすい | ・リフォームしにくい ・間取りの自由度が低い ・開口部が大きくできない |
在来工法 | ・間取りの自由度が高い ・リフォームしやすい ・開口部を大きくできる | ・工期が長い ・建築コストが高い ・会社によって質に差がある |
大きな違いとしては、間取りの自由度に差があることです。最近人気の吹き抜けや大開口の窓を作りたい人には、ツーバイフォー工法は不向きになります。
それぞれのメリット・デメリットを把握して、どちらの工法があなたに合っているか判断してみましょう。
ツーバイフォー工法のデメリット3選
ここでは、ツーバイフォー工法のデメリットを詳しく解説していきます。代表的なデメリットは以下の3つです。
- 設計の自由度が低い
- リフォームに制限がかかる
- 開口部が大きくできない
それぞれ以下でわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
設計の自由度が低い
1つ目のデメリットは、設計の自由度が低いことです。
ツーバイフォー工法は規格化された箱型を基準にした設計であることから、間取りの自由度が低くなります。箱型を基準にしていることで外観にも制限がかかるため注意が必要です。
また、耐震上の理由で壊せない壁があり、大空間を作りたくても作れないことがあります。
あなたのかなえたいこだわりによっては不向きな工法になる可能性があるため、事前に何をかなえたいか考えておきましょう。
リフォームに制限がかかる
2つ目のデメリットは、リフォームに制限がかかることです。
ツーバイフォー工法は耐力壁という耐震上の理由で壊せない壁があり、リフォームの間取り変更に制限がかかります。
最近人気のスケルトンリフォームにおいては、リフォームはできるものの制限が多く、メリットを最大限活かせません。壁を壊して部屋をつなげる等のリフォームができないということを覚えておきましょう。
最初の設計プランを立てる段階で将来のことを考慮した間取りにしておくことがおすすめです。
開口部が大きくできない
3つ目のデメリットは、開口部が大きくできないことです。
こちらも耐震上の理由から、開口部を広く取るような構造には制限がかかります。吹き抜けや大きな窓を取り入れたい人は、できない可能性があるため注意しましょう。
また、開口部が大きくできないことで採光が不十分になる可能性もあります。採光が不十分だと部屋が暗かったり、日中にも電気をつけることで電気代が高くなるため注意が必要です。
設計プランを立てる段階で、窓の位置や採光を考えた間取りを意識しておきましょう。
ツーバイフォー工法の2つの注意点
ツーバイフォー工法の注意点を見ていきましょう。気をつけるべきポイントは以下の2つです。
- 会社選びが重要
- カビやダニが発生しやすい
それぞれ詳しく解説していきます。後悔しないためにも必ず確認しておきましょう。
会社選びが重要
1つ目の注意点は、会社選びが重要であることです。
ツーバイフォー工法は断熱性や耐震性、耐風性などの性能が高いことが大きなメリットになります。しかし、実際の性能は施工する会社の技術力に大きく依存するため注意が必要です。
施工力が低いと、家の隙間があることによる気密性の低下で家が寒くなるなどの影響が出る可能性もあります。
そのため、実績のある施工力の高い会社に依頼することが必須です。複数の会社を比較して、慎重に会社選びをしましょう。
カビやダニが発生しやすい
2つ目の注意点は、カビやダニが発生しやすいことです。
ツーバイフォー工法は、開口部が大きくできないことで換気が不十分になる恐れがあります。換気が不十分だと室内空気が汚染されたり、カビやダニによって健康被害が出てしまうため注意しましょう。
2003年の改正建築基準法によって24時間換気システムが義務化されましたが、換気には十分に配慮しておくことがおすすめです。
また、依頼先の施工力がないと壁内結露にも繋がります。会社選びには十分に気をつけるようにしてください。
まとめ
本記事では、ツーバイフォー工法について詳しく解説しました。
ツーバイフォー工法も在来工法もどちらが良いとは一概にはいえません。なぜなら、お互いにメリット・デメリットがあり、適した住まいのカタチが異なるためです。
そのため、あなたの建てたい家にはどちらの工法の方が最適なのかしっかりと考えてみましょう。
わからない場合は注文住宅会社が開いている勉強会などに参加してみることがおすすめです。あなたが後悔しないようにしましょう。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。