木造軸組工法とは?メリットとデメリット、木造枠組壁工法との違いまで解説

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「木造の家が建てたい!」

「木造軸組工法ってどんな工法なの?」

と思っているでしょう。

やさしい香りやあたたかな肌触りの木造の家は魅力的です。しかし、同じ木造でもさまざまな建築法があり、それぞれ違った特徴があります。

この記事では木造住宅の工法の中でももっともポピュラーな『木造軸組工法』について、メリットはもちろん、デメリットといわれる耐震性や耐久性まで詳しく解説します。

木造住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

木造の家について

頑丈で耐震性に優れる鉄骨・鉄筋の建築技術も向上しているなか、6割以上の新築が木造です。長い間支持されるのは、多岐にわたる魅力があるからです。

木にはリラックス効果や安眠効果、CO₂削減効果があり、人にも環境にもやさしい素材。コスパも優秀で、建設費は鉄骨住宅の8割程度に抑えられます。

また、乾燥する冬には水分を放出し、湿度の高い梅雨には空気中の水分を吸い取ってくれる木造の家は、高温多湿な日本の気候にも適しています。

ちなみに、日本で最古の神社『伊勢神宮』にも採用されています。木造の家は1000年以上にわたって日本の建築を支えています。

木造には木造軸組工法と木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)がある

日本の木造建築のおよそ8割が『木造軸組工法』、残りの2割が『ツーバイフォー工法』で建てられています。

異なる特徴を持つ工法が「どんな工法なのか」「どんな特徴があるのか」それぞれ詳しく解説します。

  木造軸組工法は線で支える工法

まずは、『木造軸組工法』について解説します。木造軸組工法は柱と梁の2種類の線で支える工法です。コンクリート土台の上に、縦軸になる柱と横軸になる梁を渡して家の骨組みをつくり、作った骨組みに『筋交い』という建材や金具を加えることで強度を高めます。

江戸時代の武家屋敷が源の歴史ある工法で、『在来工法』ともいいます。京都・法隆寺の『五重塔』も木造軸組み工法で建てられています。

鉄筋や鉄骨の住宅に比べて木材の耐久性は劣ります。しかし地震の多い日本で長年かけて進化し、震度6~7の大地震にも耐えうる現在の木造軸組工法の形ができました。

  木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)は面で支える工法

ここからはツーバイフォー工法を解説します。合板で箱をつくって天井・床・壁を形作る、いわゆる面で支える工法です。2インチ×4インチの6枚の合板をサイコロのように組み立てて建てます。

北欧(アメリカ)から伝わった建築工法で、日本でも1974年に木造枠組壁工法基準が制定されてから右肩上がりで普及し、現在の新築戸建てのおよそ2割を占めます。

寒さの厳しい北欧で生まれた技術ならではの断熱性の高さが魅力です。用意しておいた合板を接合するシンプルな手順によって、施工の手間や時間がかからないのも特徴です。

6枚の合板で作った箱のようなシンプルな構造ゆえ、柱や仕切りが少なくすっきりとした内装になります。

木造軸組工法と木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)の違い

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項目木造軸組工法木造枠組壁(2×4)工法
骨組みの形状線で支える面で支える
総工事費用(㎡)186,618円192,853円
施工時間およそ半年およそ4か月
設計の自由さかなり自由やや制限される
リフォームのしやすさかなりしやすいやや制限される
耐震性2×4に比べたら低い高い
耐久性2×4に比べたら低い高い
断熱性2×4に比べたら低い高い
内装柱や梁が見えて味がある柱や仕切りが少なくすっきり
参考:『個人住宅工事費の価格傾向に関する研究(その3)」の結果概要

総工事費(1㎡あたり)の全国平均は、木造軸組工法の方が1万円ほど安いです。ただし、搭載する設備や施工会社によって、ツーバイフォー工法の方が安くなる場合もあります。

耐震・耐久・断熱性能は、ツーバイフォー工法の方が優れています。しかし、木造軸組工法も日本の建築基準を満たしており、十分に安心して住める性能があります。

木造軸組工法の3つのメリット

木造軸組工法には以下3つのメリットがあります。

  • 設計の自由度が高い
  • リフォームしやすい
  • 価格が安い傾向がある

木造軸組工法の3つのメリットについて詳しく解説します。

設計の自由度が高い

木造軸組工法の最大の特徴が設計の自由度の高さです。開口部を大きく設けられるため、日の光をたくさん取り込む大きな窓が作れます。

また、柱を建てる位置によって間取りやデザインを自由に変えられるため、和風でも洋風でも好みのデザインが叶えられます。一方、ツーバイフォー工法はシンプルな箱型ゆえ、柱や梁が見える繊細な和風な家にすることは難しいです。

人力で運べる軽い木材は鉄筋や鉄骨のように重機が必要ないため、道幅の狭い住宅地などでも制限なく建てられます。

江戸時代に生まれ進化し続けてきた木造軸組工法は、日本ならではの繊細な技術で自由で柔軟な住宅を実現します。

  リフォームしやすい

設計の自由さに加え、リフォームのしやすさも木造軸組工法の魅力です。「なぜ木造軸組工法がリフォームしやすいのか」というと、普遍性がありほとんどの住宅メーカーが対応できるからです。目視で確認できない部分のつくりも想像しやすく、「解体しないと構造がわからない」ということが起きにくく作業がスムーズに進みます。

老人ホームを建てる際に子供用の施設に変えることを想定し、増改築しやすい木造軸組工法を採用するなどの事例も。

メンテナンスやリフォームをしながら、長く大事に住む家に木造軸組工法は適しています。

  価格が安い傾向がある

木造軸組工法は、現在普及している中でもっとも安く住宅を建てられる工法です。

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住宅の工法別の総工事費
2×4・2×6全工法木造軸組2×4・2×6プレハブ
(㎡)あたり192,615円186,618円192,853円240,911円
参考:『個人住宅工事費の価格傾向に関する研究(その3)」の結果概要

安さの理由は、日本の住宅建築で一番ポピュラーな工法であるため。木造軸組工法は建材の流通量が多く、取り扱う住宅メーカーも多いです。

2022年ごろに小麦製品の値上がりが問題になったのは、天候不良でアメリカの小麦が不作であったことが大きな要因でした。このように、需要に対しての供給量が足りないと価格が上がります。一方で、木造軸組工法のように供給量が十分にあると価格は下がります。

木造軸組工法の3つのデメリット

ここでは木造軸組工法のデメリットを紹介します。木造軸組工法には以下3つのデメリットがあります。

  • 耐火性が低い
  • 耐震性が低い
  • 住宅メーカーによって品質にバラつきが出やすい

木造軸組工法の3つのデメリットについて、わかりやすく解説します。

耐火性が低い

木造軸組工法の一番の弱点が、火に弱いことです。鉄筋や鉄骨造に比べると木材はどうしても耐火性が落ちます。また同じ木造でも、ツーバイフォー工法より木造軸組工法の方が火に弱いです。

しかし、『耐火被覆』をグレードアップしたり、太く厚い木材を採用したり工夫することで、非木造とおなじ耐火基準をクリアできます。

建材をコーティングして耐火性を上げる耐火被覆は、種類や厚みによって耐火時間が2倍~3倍も違います。また、木材は燃え始めると炭化層ができ、内部に熱が伝わりにくくなり、ゆっくり燃えていきます。太く厚みがあればあるほど、内部まで燃えて家が倒壊するのに時間がかかります。

耐震性が低い

木造軸組工法は、鉄骨などの非木造と比べて耐震性が低いです。また、線で支える軸組工法と比べて面で支えるツーバイフォー工法は、同じ木造でも地震の揺れを吸収する骨組の面積が広いため地震に強いといわれています。

実際、平成28年の熊本地震で倒壊した住宅の多くは木造アパートでした。しかし、熊本地震をきっかけに翌年平成29年には『新耐震木造検証法』ができ、地盤や基礎、上部構造、必要耐力などの基準がより厳しくなりました。

そのため、現在の耐震基準で建てられる木造軸組工法の住宅は、震度6~7レベルの地震にも耐えうる頑丈さがあります。

住宅メーカーによって品質にバラつきが出やすい

木造軸組工法の3つめのデメリットは、手がける住宅メーカーや職人によって品質のバラつきが出やすいという点です。

大手住宅メーカーから地元未着型の小さな工務店まで、数多くの建築会社が採用しているポピュラーな工法であるため、それぞれで耐震性や断熱性など性能の差が大きくなってしまいます。

ツーバイフォー工法は、用意された合板を接合するシンプルな施工であるため、現場の職人の技量や経験値の影響が出にくいです。設計に関してもシンプルでマニュアル化されている部分が多く、作り手の知識量やクセの影響が少なく済みます。

一方、木造軸組工法は設計の自由度が高く、現場での細かな調整も必要であるため、職人の技術に左右される部分が多いです。

ただし、近年はコンピューターと連動したCAD・CAMで設計や加工を行うため、かなり品質のバラつきは少なくなっています。

長野県で木造の家を建てるなら片桐建設がおすすめ

出典元:片桐建設
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項目詳細
会社名株式会社片桐建設
会社住所長野県伊那市福島1471
創業年数1970年
対応エリア長野県・愛知県・岐阜県・山梨県にそれぞれ店舗あり
坪単価50〜60万円程度

創業から50年以上、木造住宅にこだわりつづける片桐建設。木のあたたかみを生かした優れたデザイン性に定評があります。

デザインだけでなく安心に暮らせる住宅であることも大事にしています。地震のエネルギーを吸収して建物の変形量を小さく抑える『次世代制震システムEVAS(イーバス)』などを取り入れ、耐震等級3級相当の地震に強い家を実現します。

片桐建設は長年かけて培ったノウハウによって、木造軸組工法の懸念点とされる耐震性をカバーしながら、魅力である自由な設計デザインを生かした『良質な木の家』を建てます。

最近では、CLTなどの工法にも対応しているため、施設などの建設にも優れています。詳しくは公式サイトを参考にしてください。

  まとめ

この記事では、木造軸組工法とは何なのか、他工法と比べてどんなメリット・デメリットがあるのか解説しました。

日本で最もポピュラーな建築工法であるため総工事費が安いこと、設計の自由度が高いことが魅力です。一方で同じ木造のツーバイフォー工法と比べると、耐震性や耐久性がやや劣ります。

工法それぞれの特色を比較して、自分に合った住宅を建てましょう。この記事が、家づくりを検討している方の参考にすこしでもなれば幸いです。

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