CLT工法は、繊維方向を交差させた板である『直交集成板』を何枚も貼り合わせた板を使用して建物を造る工法のことです。従来のRC造やS造では、表現することのできなかった木造施設を可能にしたとして最近多くの注目を集めています。
CLT工法は2016年に日本に導入され、日本におけるCLT建築は年々増加傾向にあります。今まで不可能だった施設を実現できるだけでなく、環境にも良いなど様々なメリットのある工法のため、興味のある方も少なくないでしょう。
しかし、まだ日本に導入されて数年しか経過していないこともあり、CLT工法による建物のイメージができてない方もいるはず。
そこで本記事では、CLT工法を採用した事例を紹介していきます。あわせて、CLT工法のメリットやデメリット、他の工法との違いについても解説するため、ぜひ参考にしてください。
CLT工法を採用した事例5選
さっそく、CLT工法を採用した事例をみていきましょう。今回紹介するのは以下の5つの事例です。
以下で詳しく解説していきます。
松井ビル別館
木材を大胆に使用した外観がおしゃれな、防火地域に建つ木造2階建ての建物です。使用用途は事務所であり、75分準耐火を適用することで室内側の木材のあらわしを可能にしています。
木造軸組工法にCLTを組み合わせた建物となっており、壁や床、屋根、階段にCLTを使用。階段は、大きく厚い板を作れるCLTの特性を活かして、デザイン性を追求しつつ、耐久性の高いものになっています。
Hair room TOARU
RC壁とCLT屋根を併用した構造の美容室です。屋根や天井、床、幕板、家具にCLTを採用しています。
天井や床に使用したCLTによって木の木目が美しく映えており、自然を身近に感じられる店内を実現。店内に用意された緑とうまく調和し、落ち着きのある空間となっています。
また、各部材は防耐火条件、環境性能等適材適所に対応しているため安全です。
清見ダンス教室
片流れ屋根が印象的な外観のダンス教室です。CLTパネル工法を採用しており、壁にCLTを使用しています。
柱のない広いフロアを作りたいという顧客の要望を、大空間を実現できるCLT工法によって実現。木造でも大規模な空間を実現できるという、従来の工法とは違ったCLT工法の特性を活かした事例です。
タマディック名古屋ビル
全面ガラス張りのデザイン性の高い外観のビルです。耐火性能が求められる規模の計画に対して、コンクリートと木材を適材適所に組み合わせて設計されています。
CLTをRC造の型枠として使い、CLTによりRC造を補強し、仕上げとしても使っていることがポイントです。従来の工法よりも耐久力が高いCLT工法をうまく利用している事例になります。
新潟県少年自然の家宿泊棟
木造軸組工法の床や壁、屋根、階段の主材料にCLTパネルを採用している建物です。施設用途の建築基準法の関係でCLTのあらわし部分が少ないため、階段にCLTパネルを実感しやすいような工夫を取り入れています。
CLT工法は従来の工法よりも耐久性が高いため、耐久性が求められる少年自然の家のような建物には適していると言えるでしょう。
CLT工法のメリット・デメリット
ここからは、CLT工法のメリット・デメリットをみていきましょう。採用する工法を決める際には、メリットとデメリットを理解しておくことが重要です。メリットとデメリットを理解した上で、CLT工法を採用するか決めるようにしましょう。
CLT工法のメリット
CLT工法のメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 中、大規模の建築物の工期短縮
- 森林資源が有効活用できる
- 建物の強度が高い
CLT工法は、主に工場で製造・加工が行われるため、現場での施工が少ないことが特徴です。そのため、中、大規模の建築物で主に使われる鉄筋コンクリートに比べて、工期を短縮できます。
また、CLTは板を重ねて接着するという特性上、あまり太くない木や節の多い木など、建材として不向きな木材でも使用可能です。そのため、森林資源をうまく循環でき、山林の適切な保全にも役立ちます。
さらに、CLT工法は建物の強度が高いということも大きなメリットです。耐震テストにおいて、地震後も使用可能という結果が出ており、高い強度を持っていることが証明されています。
CLT工法のデメリット
CLT工法のデメリットとしては、以下の2つが挙げられます。
- コストがかかる
- 技術的な問題がある
CLT工法は日本に導入され始めてまだ日が浅いということもあり、コストが高い傾向にあります。欧州ではすでに7万円を下回る㎥当たりの単価も、日本では2019年時点で15万円と、2倍以上の差が出ているのが現状です。
メリットも多いですが、コストが高いため、資金計画をしっかりと立てることが重要になります。また、CLT工法には、国産材だけでCLTを作るのが難しいという技術的な問題があります。
なぜなら、家づくりによく使われる国産のスギは含水率が高く、乾燥に手間がかかることから、技術がないと対応できないためです。対応できる会社が多いわけではなく、導入したくてもできないというデメリットがあります。
CLT工法と他の工法との違い
CLT工法と他の工法との違いとして代表的なのは以下の3つです。
- 大規模施設でも木造が可能
- 工期が短縮できる
- 従来の工法より耐久力が高い
CLT工法は従来の工法とは異なり、製造原版サイズが大きく大規模な木造施設を建設することが可能です。柱の少ない大空間が実現できるため、デザインの自由度も高くなっています。
また、上記でも解説したように工場加工度が高いことで、工期を短縮できるのも魅力のひとつです。工期を短くできれば、施工時における人材費の削減もでき、コスト削減に繋がります。
さらに、他の工法の建物を大破させた耐震テストにおいて、地震後も使用可能という結果が出ていることも大きな違いです。中、大規模の建築物では、耐久力は非常に重要になるため、耐久力が高いことは魅力的なポイントと言えるでしょう。
CLT工法なら片桐建設がおすすめ
項目 | 詳細 |
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名称 | 株式会社片桐建設 |
所在地 | 長野県伊那市福島1471 |
創業年数 | 1989年3月 |
CLT工法なら片桐建設がおすすめです。片桐建設は50年以上の歴史を持ち、長野県を中心に多くの注文住宅や商業施設を手掛けています。
フルオーダーメイドの住宅を扱っていることもあり、高い技術力を有していることが特徴です。高い技術力があるため、CLT工法にも対応しています。
また、熟練の職人が多く在籍していることも魅力のひとつです。技術力が必要とされるCLT工法において、熟練の職人が多く在籍していることは大きな安心材料といえます。
まとめ
本記事では、CLT工法を採用した事例やCLT工法のメリットやデメリット、他の工法との違いについて解説しました。CLT工法は様々なメリットがある魅力的な工法です。
年々注目度も高まっており、これからさらに需要が増していくことでしょう。これから、商業施設などの建築を検討されている方は、積極的にCLT工法を採用してみることをおすすめします。CLT工法を採用する際には、ぜひ片桐建設に相談してみてください。
本記事があなたのお役に立てると幸いです。